岩郵便局

2022.01.18

ぎぎぎ、と軋む重い扉は

薄桃だったか

記憶の陽に⾊褪せ

思い出せない

 

岩郵便局は

海辺の⼩さなノスタルジア

 

いつの間にか

海のそばの神さまの

古朴な櫨の切り株とともに

姿を消した

 

いまは潮騒も

ひとの便りも

届かなくなって

 

山肌ばかりが

赫い姿