ささくれて、やさぐれる

2021.11.19

指先ささくれて

こころ、やさぐれる

 

子は行きしぶり

わたしは生きしぶる

 

胸に穴の開くほど

じぶんに問い詰めた

 

ひとばん

化粧を落とさなかった顔を

あたらしい湯で洗えば

またやり直しの朝がくる

 

きみの不在の代わりに携帯に入れた

どこか知らない町の天気予報は

週末も晴れで

 

きっとその町の海は

陽に耀くのだろう

 

とおく真鶴からも

式根島という架空の島が

ここよりうっすらと見えることを

今日、初めて知った

 

いま目に映るひかりよ

きみの眼にも

映れ、過れ、

蘇れ